初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「明日仕事だからっ」

ニッコリ微笑んだまま、だから何?とばかりに見つめてくる。

「だからっ、今日はチョコだけ持ち帰ってくださいっ」

「なーんだ。勢いで頷いてくれると思ったのに」

相良さんがそんなこと考えてたなんて、驚いて返す言葉もない。
付き合い始めてからの相良さんはこんな風に良く仕掛けてくる。最初はまんまと騙されてたけど、さすがに私だってその辺は学習する。

「週末の予定は?今日会っちゃったからナシとか?」

なんて仕掛けてみたけど。

「へ?なんで?」

逆に質問されて「なんでって……」と口ごもる。

本当は会いたいのに、やっぱりこんな事、私には向いてない。

「今日のは追加。週末は週末。それも有効だから」

ニッと笑って答える相良さんのホッとして頷く。

「控えめなクルミちゃんもいいけど。俺には何でも言って欲しいんだよね」

わかった?って頭を引き寄せられて顔を近くに寄せられる。
全否定じゃなくて、ゆっくりと氷を溶かすように私の心を少しずつほぐしていく。

「……うん」

だからめんどくさいとノリちゃんに言われる性格の私も素直になれる。
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