初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

     *****

「結局今日一日かかったな」

昨日と同じようにホテルのマイクロバスに乗っている。
時間が良かったのか迎えのバスがちょうどあると聞いて同乗させてもらっている。

「ん、でも予定通りの時間に戻ってきてるから」

「まぁそうだな。それに明日はゆっくりできるし、まぁ良かったっちゃ良かったか」

「ふふ、そうね」

あれから、一時間ほどして相良さんは戻ってきた。

お母様はおみやげに用意していたワインを相良さんに持たせて私たちを見送ってくれた。さすがに今回はグラスは断固拒否してたから荷物は最小限で済んだ。

「コレあれだろ?クルミちゃんお気に入りの奴」

「え?本当?」

袋の中からチラリと取り出したものを見るとあの貴腐ワイン。

「また今度送るけど、とりあえずの分だって。」

相良さんはくしゃりと笑ってそっと袋に戻した。

「東京帰ったら一緒に―――」
「コレもあるから」

そう言って取り出したのはオープナー。なんて用意のいい。

「ふふ、じゃあホテルで飲みましょうね」

「ん、楽しみにしてる」

相良さんと一緒にいれば幸せな気持ちで満たされる。さっき感じた不安とか、追いやる事が出来るんだけど……窓に映った不安な顔を相良さんが見てた事に私が気づきもしなかった。
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