初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

     *****


パチリと目覚めたけれど、辺りが薄暗い。ベッドサイドの時計を見あげると五時過ぎ。
起きるにはまだ早いと判断し、そのまままた枕に頭を沈めた。

昨日相良さんの実家からホテルに帰ってきて、ご飯食べて部屋に戻ってきてから……

うわっ、そうだっ。
あのままずっとここで。

慌てて相良さんを見ればスヤスヤと眠る姿にホッとして、そおーっと手を伸ばす。
額を隠す髪を横に分けたりして普段とは違う相良さんにしてみる。

「ふっ、かわいっ」

無防備に眠る相良さんは普段見れないからついじっと見てしまう。

「クルミちゃんの方がかわいかったけど?」

その声に伸ばしていた手を慌てて引っ込めようとしたのに、その手を捉えられてしまう。

「ちょ、相良さん起きて…―」
「ん?クルミちゃんの可愛い声で起きた」

そうだった。相良さんって寝起きいいんだったんだ。
前もこんな事あったっけ。

「ね、クルミちゃん。」

「ん?」

「部屋風呂まだ入ってなかった」

「あぁそうね。待ってて、いまお湯ためてくる」

「ん。よろしく」

ただ手を通していただけの浴衣をきちんと前で合わせる。和服ってなんかこういうとこ、エロいっていうか……。気を取り直し、ベッドから抜け出して浴室に向かった。
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