初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
さっき見せた表情はなくなり、いつもの笑顔の相良さんに戻っていた。

そこに何が?飾棚に視線を向けると小さなジュエリーボックスがあった。

いつもそこにあるからすっかり忘れてた。蓋を閉めたまま忘れてた。けれどその中には先輩からもらったネックレスが入っているはず。そう、あの時金具が壊れてしまって使えなくなったまま。

返すべきだった?
捨てるべきだった?

……相良さんは、これを見ていたの?

先輩に気持ちが残ってるなんて事は全くない。それは自信を持って言える。だからこそ……忘れてしまっていた。

「クルミちゃん、コーヒー冷めるよ」

「あ、うん」

相良さんはソファに座りコーヒーを飲み始めてた。私も隣に座り、カップに手を伸ばす。

私が話をするって言ったから、きっとそれを根気強く待ってくれるつもりなんだろう。けれど、今それよりも。

「あーあの、」

「ん?」

私が話しかけるとテーブルにカップを置き、聞く体制を取ろうとする相良さん。

いや、今言おうと思ってるのは……、ネックレスの事。なんて言っても言い訳になりそうな気がする。
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