雨の日に傘をさして、きみにアイにくる。
「これが、全部だよ。」
いつの間にか自分の足元にやっていた視線を、恐る恐る美雨の顔の方にやる。
「....っっ、う、そ...」
美雨の顔は、信じられないような顔をしていた。
そりゃあ、信じられないよな。
じゃあ、この世界は、何なんだって話だよな。
お互いに黙ってしまい、シーンとした、この教室が妙に緊張感を高まらせる。
「た、いよ...は、死んだ、の?」
高くもなく低くもない、心地よい美雨の震えた声が、俺の耳に小さく聞こえた。
俺は、そのままコクリと頷いた。