雨の日に傘をさして、きみにアイにくる。





その瞬間。




小さな可愛らしい手が、俺の頬を包み込むようにして添えられた。




「美雨?」



「大丈夫、だよ」




美雨のその声は、全てを理解しているよと、言われているような優しい声色だった。




愛おしい目の前の彼女が微笑みながら言った彼女に、俺はどこか安心した。



安心した結果、自分の目からソッと涙が頬に伝った―――。



< 225 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop