この暴君、恋すると手に負えません
「じゃ慌てても仕方ないし、ここで少し待ってようか?」
光希さんは壁に背を預けてその場に座り込んだ。そしてポケットからハンカチを取り出し、自分の隣に敷くとそこをぽんと叩いた。
「お隣どうぞ」
「......あ、ありがとうございます」
私は遠慮気味にハンカチの上に腰を落とすと、光希さんは嬉しそうに微笑んだ。
「そういえばさっき何か聞いてたよね?僕が帝くんに酔って言ったこと、だっけ?」
「あ、はい。どういう意味なんだろうって思って」
一瞬、光希さんは言葉を選んでいるように黙り込んだ。余計なことを聞いてしまったと思い、私が質問を取り消そうと思った瞬間、重たい口を開いた。