この暴君、恋すると手に負えません
「......もう六年前の話だけど。帝くんにね、僕の彼女を横取りされちゃったんだ」
光希さんはとても哀しそうな瞳で私を真っ直ぐに見つめながら話し続けた。
「彼女の名前は円華(まどか)って言うんだけど、もともと東堂家に仕える執事だったんだ。僕は彼女に一目惚れして、当時は若かったのもあるけど半ば強引に付き合ってて。でもいつまでも彼女は僕に振り向くことは無かったんだ」
「......どうしてですか?」
「彼女には別に好きな人がいたから」
ーーもしかして、その好きな人って。
私が思い当たる人物を思い浮かべて目を丸くすると、光希さんは苦笑しながら呟いた。