この暴君、恋すると手に負えません


「……今日、光希様と食事に出かけることになったんだ」
「え!?光希さんと!?」


すると桐生さんは二の腕を掴みながら、驚きの一言を口にするのだった。


「それを知った帝様が急にある部屋に連れ込んで、脱げと仰られて……」


――何したのあの人!?


私はあまりの衝撃に動揺が隠せず、一人あわあわと落ち着きなく手を動かしていた。


「……それでこんな姿にされたんだ」
「あっ、そっちですか」
「何の事だ?」
「い、いえ!なんでもないです!」

私が始めて朱鳳家に来た時も確か似たような事があったっけ。

懐かしむように思い出していると、ふと桐生さんのワンピースが床についているのが気づく。
私は桐生さんに手を差し出しながら首を傾げて呟いた。

「せっかくの綺麗なワンピースが汚れますよ?」
「……ありがとう」


桐生さんは私の手を掴むと、慣れないヒールのパンプスに少しよろめきながら立ち上がった。






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