この暴君、恋すると手に負えません
そして片方の手で私の後頭部を優しく撫でながら、抱き締めたまま帝さんは話し始めた。
「……正直に話す。最初お前を見た時は結依にそっくりだったから、目に止まったのは確かだ。だけど俺は一度だってお前と結依を重ねたことなんてない」
「……でも、帝さんのボディガードになるって契約は彼女と重ねたからじゃないんですか?」
帝さんの胸板に顔を埋めているおかげか、私は素直に思ったことを聞いてみた。
「前も言ったがボディガードなんて、お前を俺の傍に居させる為の肩書きみたいなもんだ。まぁ、ボディガードにしたのは誉への当て付けでもあったがな?」
「……当て付け?」
「俺はただ、結依の時みたいにもう二度と好きな女を奪わせないって証明しようとしただけだ」
「そ、それって微妙に重ねてませんか?」
「細かい事は気にするな。でも珍しいな?お前がそんなに気にするなんて」
私はゆっくりと顔を上げると、むっとしたまま帝さんを睨みつけた。
そして帝さんの胸元のシャツを、くしゃりと握り締めながら訴えかけるように告げたのだった。