この暴君、恋すると手に負えません
部屋を出てからきっと方向的に帝さんの部屋へと向かっているのだろう。
「あの、帝さん?誉さんの部屋に行かなくていいんですか?」
「……お前はどうして俺の気分を下げることを言うんだ?」
「す、すみません」
「誉なんてどうだっていい、お前は俺の事だけ考えてればいいんだよ」
帝さんはふと立ち止まると、私を抱き上げたまま真っ直ぐに見つめた。
その綺麗な瞳に見惚れている自分が映っているのを見ると恥ずかしくなってしまった。
帝さんは出会った時から自分勝手な暴君だけど、実は優しくて思いやりもあって、何よりこんな私にいつも自分の愛情を包み隠さず伝えてくれる。
たくさんの愛情を注いでくれる。
――私も、帝さんに伝えたい。
私のこの気持ちを。
「……帝さんっ、私……っ」
帝さんの事が好きだっていう気持ちを――……。