この暴君、恋すると手に負えません
そこには、今まで見た事がないほどの万札の札束が敷き詰められていたのだ。あまりにも現実離れしたその光景に私は唖然としてまう。
「……何ですか?これは」
「5億だ。お前が帝との契約を解約した引き換えに渡す予定だったものだ」
「……あの時、私はお断りしたはずです」
すると誉さんは冷たい目で見下ろしながら、私の顎をぐっと持ち上げる。
「分からないか?この金の意味が」
「……意味?」
「この金をお前に全てくれてやる。だから金輪際、帝には近づくなと言っているんだ」
--そんな、あまりにも横暴過ぎる。
誉さんはそのまま唇を寄せた。
私は顔を背けようにも顎を持ち上げられていて、視線すら逸らさなかった。
そして唇が触れる寸前、囁くかのような甘声で告げられた言葉に私は動揺が隠せなかったのだった。