この暴君、恋すると手に負えません
「お前に渡したい物がある。おい、例の物を見せてやれ」
「かしこまりました、誉様」
--その声って。
そして意味深に口角を吊り上げている誉さんの背後から、もう一人私の知る人物が姿を現したのだ。
「……例の物はここにご用意させて頂きました」
私の目の前に現れたのは、大きなトランクを引きながら、無表情で歩み寄る瑛斗の姿だった。
「瑛斗!?何でここに!?」
「お前に是非渡したいものがあると、誉様が仰られたのでお持ちした」
「……何を?」
瑛斗は誉さんに目で合図されると、私の目の前に大きなトランクを置いてゆっくりと中を開く。