この暴君、恋すると手に負えません



「そんなふうに強がる奴は嫌いじゃない」


そしてそのまま私の耳元にひとつ口付けを落として、あの妖艶な瞳で私を見つめた。私は恥ずかしくて目を逸らしてしまう。


「虹美、こっち見ろ」
「い、嫌です......っ」


この男はずるい。

ただでさえ色気のある甘い声をしているくせに、その上こんなにも妖艶で綺麗な顔をして私を見つめてくるなんて。

弄ばれているのだと分かっているのに、勝手に胸が高鳴ってしまう。それがとても悔しくて自然と目尻に涙が滲み出す。

その涙を見た暴君は目を丸くする。

先程まで意地悪な笑みを浮かべていたのに、気づいたら眉を下げて悲しそうな目をして笑っていた。


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