この暴君、恋すると手に負えません



「......っ、誰だお前!?」


その暴君の声に反応し振り向くと、其処に黒いマスクを被った人物が暴君の口をハンカチで押さ込み、背後から襲いかかっていたのだ。


"帝様から片時も離れるな"


あんなにも釘を刺されていたのに油断してしまった。私は慌てて駆け寄ると、その人物は慌てて逃げ出した。暴君はそのまま力なく倒れ込んだ。

寝息を立てている事を確認すると、恐らく睡眠薬を嗅がされたのだろう。


「帝さん、帝さん!!」


何度呼んでも目覚める気配はない。
私は自分のジャケットを枕にしてらそのまま暴君を寝かせると、立ち上がって逃げる犯人の背中を睨みつけた。


ーーもしかしてあいつがあの殺人予告状を送ってきた"X"......?


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