この暴君、恋すると手に負えません
桐生さん、ごめんなさい。
この暴君から片時も離れるなって言われてたけど、私の性格上、それは無理だったようです。
「逃がさないからっ」
私はステージから飛び降りると、逃げる男の後を追った。しかし此処は高層の三十階、逃げるにはエレベーターを使うしか手段はない。
すると案の定、エレベーターの前で立ち尽くしていた男に追いついた私は距離を取って問い掛けた。
「......貴方がXなの?」
すると男は懐からナイフを取り出し、振り翳しながら襲いかかる。そして男は私の首を片手で締めながら、壁に強く体を押し付けた。
「......っ、離し、てよ!!」
私は男の腹部にめがけて、思いっきり蹴飛ばした。その衝撃で男が怯みナイフを落とすと、私は奪い取るように拾った。
「何が目的なの!?何で帝さんにあんな事するの!?」
私は警戒するように男から奪ったナイフを目の前に突きつけた。すると男は何も言わずにそのまま逃げ出した。私はナイフを床に投げ捨て、男の後を追った。