この暴君、恋すると手に負えません



「......あの、これは一体どういうことですか?」
「あの殺人予告状は私が用意したものだ」
「どうしてそんな事を?」

すると桐生さんはいつものように私を睨みつけながら呟く。

「お前の存在が目障りだからだ」
「......え?」
「私は誰よりも近くで帝様に仕えてきた。帝様のもとで仕える事が私の幸せであり、私の居場所でもあった。なのに、突然現れたお前にその居場所を奪われたことが許せなかった」
「でもこんな手が込んだ事しなくても......っ」
「お前と帝様の契約を知った時、役目を果たせないお前を見れば帝様が見放すと思ったんだ」

桐生さんは眉間に深く皺を寄せながら悔しそうに下唇を噛み締めた。その顔を見て私は気づいた。


ーーそうか、この人はきっと。


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