この暴君、恋すると手に負えません
すると突然、屋上の扉が勢い良く開く。其処には携帯を片手に持った美しき暴君の姿があった。
月夜に照らされ、夜風に髪を靡かせ、あの妖艶な瞳で私たちを見つめている。
「......ったく、お前ら揃いも揃って主人に世話かけさせてんじゃねぇよ」
そして暴君は桐生さんの目の前まで歩み寄った。桐生さんは目元を拭って深々と頭を下げていた。
「ご迷惑をお掛けして申し訳ございません」
「顔を上げろ、桐生」
桐生さんは申し訳なさそうにゆっくり顔を上げた。すると暴君は携帯を切ってポケットにしまいこみながら呟く。