この暴君、恋すると手に負えません
「まぁ、何があったか詳しくは知らないがこれだけは伝えておく。お前以上の有能な執事なんて探したってそう簡単に見つからない。お前はこれから先もずっとこの俺の右腕として仕えろ、これは命令だ」
「......御意」
そう答えた時の桐生さんはとても優しい笑みを浮かべていた。
「桐生、先に戻ってろ。皆様はまだゲームに夢中で俺がいない事も気づいてないだろうが、光希一人だと少し不安だ」
「分かりました、すぐ戻ります」
そして桐生さんが私の横を通り過ぎようとした時、その足が止まった。
「......お前にも迷惑をかけてすまなかった」
それだけ言い残し、桐生さんは早々とした足取りで屋上を後にしたのだった。