この暴君、恋すると手に負えません
「桐生さんのこと、嫌いにならないでください」
「......愚問だ。いいから話せ」
そして私は出来事の詳細を全て暴君に伝えたのであった。嘘の殺人予告状の事も、会場の照明も、屋上に来るまでの経緯も全てーー......。
しかし話し終わる頃、暴君は怪訝な表情で黙り込んでしまったのだ。
「ーー......これが、全てです」
すると暴君は私に歩み寄り、肩に手を添えてとても心配そうに見つめる。そして照明が落下した時の傷に、優しく口づけを落としたのだった。
「......すまなかった」
「帝さんが謝る事じゃないです。私は帝さんを守る事が契約なので、その任務を果たしただけです」
「そうか、でも桐生にはそれなりの罰を与える」
「罰?」
「大丈夫だ、解雇はしない。......まぁ、でもあいつにとっては丁度いい罰になるだろ」
意味深な暴君の言葉に私は不思議そうに首を傾げた。
一体、桐生さんに何をするつもりなんだろう?