七色セツナ。1



無意識に伸ばされた両手が、
花凛の身体を
しっかりと包み込んだ。


細い方だと思っていたコタは、
ジャージ越しでも
程よく筋肉が
付いているのが分かる。


花凛は、
頭を寄せているからだろう
コタの心臓の音が伝わり、
それがハンパなく早く感じる。


花凛のポニーテールの毛先が、
コタの首筋に触れ、
ふわふわとくすぐる。


コタは、
花凛の胸が、お腹の辺りに当たっているのが
ジャージ越しでも分かる。


花凛が頭を上げ、コタを見た。


・・・コタも、花凛を見ていた。


視線が交差すると、
コタは更に
花凛をきつく抱きしめた。



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