七色セツナ。1
朱羽の歩みが止まった。
それまで、
優しい眼差しで、花凛を見ていたが
急に、遠くを見るような素振りを見せた。
「あ、ゴメン...朱羽……。
私、分からなかったから
分かりませんって言ったら、
倉沢って名前が出てきたから
朱羽の事なのかなって……」
何か、余計な事を言って、
機嫌を損ねてしまったのではないかと
花凛は焦った。
「花凛……
悪い……
そうじゃねーんだ。
オマエは何もしてないだろ?
そんな気を使うな……」
朱羽の手が伸びてきて、
花凛の頭をゆっくりと撫でる。
後ろで恭弥が
「朱羽!おめーもか!!」
と叫んでいる。
「ごめん……
俺が、ガキなだけなんだ」