Lie × Lie 〜 アルメリア城恋物語 〜
ミュアが驚いて目を見開いたのを見て、グレイはくっと
口端をあげると、” 冗談だ ” と言った。
そして身体を起こそうとする。
ミュアは慌てて、その腕を押さえた。
今、この時を終わりにしたくない ー ー 、突き動かされるように、
ミュアはグレイの手を握り指先に口づける。
すこしだけ触れて、すぐ唇を離した。
でも、すぐにもう一度、口づけた、今度は長く……。
グレイは何も言わなかった。
避けようとはせず、ふたたびゆっくりと身体を横たえると
曲げた腕で顔を覆い、動かなくなった。
振り払われなかったことにほっとしながらも、ミュアは躊躇って
唇を離したが手は離さず、握ったままのグレイの手を、
ゆっくりと自分の頬に押しあてる。
やわらかく包み、目を閉じる。
想いが、虹色に輝く泡ぶくになって心の底からどんどん溢れ、
ひとつの形になっていく。
…… 私は ……、この人に惹かれている…… 。
ウォーレス陛下に恋していたはずなのに、今、私は、この人に、
どうしようもなく惹かれている。