Lie × Lie 〜 アルメリア城恋物語 〜


 言いあいながら、グレイとミュアが木の下まで来たとき、
 めりっと音がしてオニクスの乗っていた枝が折れ、
 オニクスはさっと他の枝に飛びうつる。

 落ちてきた枝からかばおうと、グレイがミュアの腕を強く引き、
 二人はともに地面に倒れこんだ。

 グレイの腕にかばわれたまま、ミュアが頭をおこすと、
 シルヴィとオニクスは平然とした顔で二人を見おろしていた。


   
    「オニクスは賢いから、悪口を言われたと
     わかったんだ、ははは」



 笑い声をあげ、グレイが身体のむきをかえ、手足をのばして
 そのまま寝転がったのでミュアも、地面に頭をつけた。


 やわらかな日差しが木漏れ日になって降りそそいでいる。


 ミュアの顔にも自然な笑顔がうかぶ。

 グレイの明るい笑い声と穏やかな日差しに、心のなかの想いが、
 すぅーと静かに浮かびあがってくる。


   
    「私ずっと謝りたいと思っていたの。競技会で、私、
     ひどいことをしたわ」



 ミュアが囁くように言うと、笑いをおさめたグレイがこちらをむいた。


   
    「あぁ、痛かったな」
    「ごめんなさい」
    「もう一回やられたし……」
    「本当に、ごめんなさい」
    「じゃ、お詫びに、キスでもしてもらおうか」




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