Lie × Lie 〜 アルメリア城恋物語 〜
グレイのことが、たくさんわかるようになった。
隠してはいるがにんじんがきらいなこと、
ヴェイニーに ”ぼっちゃん” と呼ばれることがまんざらでもないこと、
料理はつくるが皿洗いがきらいで、以外とオッチョコチョイなこと。
食器を割るか、欠かすかしてよくヴェイニーに叱れられている。
「あぁ、また負けたわ」
「そうだな、ここをこうしていれば、ミュアのほうが
優勢になったかも」
「本当にそうだわ、なぜ、気づかなかったのかしら」
三回に一回、ミュアがチェスに勝つときは、グレイがそうなるように
仕向けていること。
王城へ帰るとき、彼は名残惜しそうにする。
見送るミュアを、そっと軽く抱きしめる。
ミュアも、グレイの背に少しだけ手をまわす。
ここでは少しだけ自分に素直になろうと決めた。
ここは王城じゃない、王城へ帰ったら、グレイをソフィーニアに返す。
だから、ここにいる間だけは……。
グレイはミュアに愛情を示そうとしてくれている。
でも、軽く肩を抱く以上に進むようなことはないから、
本当に求めているのはソフィーニアなんだろう。