Lie × Lie 〜 アルメリア城恋物語 〜
「ジェイミー、が、もどってくるわ」
「だから大丈夫だって、ムタフにジェイミーを
足止めしろって言っといたから」
「……」
ゆっくりと押し倒されて、獣のような瞳が、ミュアを射抜く。
「自分を開放して……、ミュア」
「グレイ」
少しずつ腕をのばし、ミュアは彼にふれた。
手を伸ばせば、ふれられる ー ー
愛しい人に手を伸ばすのに、なんの我慢も、遠慮もいらない ー ー
なんて幸せなのかしら。
その幸せをかみしめて、ミュアはグレイの首の後ろに手をまわすと、
グレイをひきよせ自分からキスをした。
驚いたように目を見開いたグレイの頬が、ほんのりと赤く染まる。
口づけは深くなり、グレイが甘く深い声で囁いた。
「行こう、ふたりの王国へ」
* 〜 * The End * 〜 *


