Lie × Lie 〜 アルメリア城恋物語 〜

 
 ミュアはぽかんと口をあけて、トラビスをまじまじと見た。

  金髪に青い瞳……。

 白い羽も優雅に、天上より舞いおりる “ 神の御使い “(みつかい)
 のようなこの人と、あのデリアが
 
  甥と叔母の関係!?

 くすっとトラビスが笑い、その笑いに “ 言いたいことはわかります “
 という無言の返事を読みとって、
 ミュアはあわてて口許をひきしめた。
 
  簡単に感情をあらわにしてはいけないわ、でも、驚かないですむような
  事柄ではないもの……ね。
 
 そう言い訳を心の中で言い、ミュアは立ちあがる。

 そして、部屋を出ようとしたとき、再びトラビスが、何かを思いついた
 というようにミュアに声をかけた。


   
    「そうだ。グレイは、いや、グレイ陛下は、どうですか?」



 質問の意味をとりかねて黙ったミュアに、トラビスはにっこりとし、
 続けて問う。


   
    「夫として、どうですか?」
    「どう、って……そうですね、立派な夫ですわ」



 少々戸惑いながらも、王妃らしく答えを返せば、トラビスはさらに、
 にっこりと笑った。


   
    「そうですか、それは良かった」






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