紳士系同期と恋はじめます
「え?じゃあ、毎日一緒に通勤してるわけ?」
「……うん。帰りも一緒」
「ええ!?」
私の前で目を見張るのは、明美ちゃんだ。
明美ちゃんには、例のおじさんの相談をしていて、仕事帰りの飲み会で、最近どうなの?と質問されたから、正直に答えたのだ。
「げんげん!紳士!」
あれから、2週間だ。
元原さんは、毎朝、私の家まで迎えに来てくれる。帰りも私と一緒だ。というより、1人で帰ろうとするときに、見すかすように、仕事を頼んでくるのだ。結果、残業する羽目になった私を彼が待っている。
「で、おじさんは付きまとってこない?」
「うん。最初は待ち伏せされてたけど……元原さんの顔を見れば、逃げていってくれたし。最近は、待ち伏せもないよ」
「よかったね」
私が困っていたのをよく知っている明美ちゃんの言葉に、私は微笑みながら、強く頷いた。