王太子の揺るぎなき独占愛
レオンはサヤを励ますように彼女の背中をポンポンと叩いた。
自分の腕の中で小さくなっているサヤがかわいくてどうしようもない。
ジュリアは自分が王女であることに誇りを持ち、周囲に対する影響力も理解しているのだ。
生まれてから絶えず注目されながら育ち、彼女の勝気な性格も相まって、彼女の王女としての毅然たる雰囲気が形成されたのだ。
それは長く憧れていた隣国の王子との結婚を実現させたことからもよくわかる。
ラスペード王国第三王子ステファノとは幼いころから顔を合わせる機会が何度もあり、ジュリアは次第に恋心を抱くようになった。
ステファノもジュリアに特別な感情を抱いていたのだが、大国同士の縁談は周辺国の脅威になると、長い間許されなかった。
しかし、強気なジュリアがあっさりとあきらめるわけもなく、両国の国境をまたぐ地域に新たな鉱脈が発見された慌ただしさに乗じ両国の絆をさらに深めるためにという理由で結婚を認めさせたのだ。
ステファノもラスペードの国王に何度も頭を下げ、許しを得た。
十年以上をかけて育んだ愛が実った瞬間だった。
「だけどそうだな。俺もジュリアに感謝しているな」
「感謝、ですか?」
レオンの声に、サヤはそっと顔を上げた。