王太子の揺るぎなき独占愛
それをわかっていて、レオンはサヤとの結婚を画策してきた。
その間ずっと、サヤの気持ちはどうなのだろうかと考え、自分に背を向けて去っていく彼女の後姿が頭に浮かぶたび不安があふれた。
それでもあきらめきれず、とにかくサヤが王妃として自分のものになればそれでいいと思っていた。
そして、国王に早い退位を願い出てまでサヤを手に入れたのだが、やはりサヤがこの結婚をどう思っているのかが気になっていた。
自分ばかりがサヤを思っていることに、痛みも感じていた。
しかし、レオンのまっすぐな思いがサヤの心を徐々にほぐしていったのか、婚約してすぐのころこそ必要以上にレオンとの間に距離を作っていたサヤだが、レオンが優しい言葉をかけ、当然のように触れるたび、サヤの体から緊張感が消えていった。
今ではキスをすれば恥ずかしそうにしながらも応えるようになり、ますますキレイになった。
そして、レオンのそばにいてもいいのかと、泣き出しそうな顔で問いかけてくる。
レオンの胸に置かれた手は明らかに震えていて、サヤの思いがひと目でわかる。
「王妃として、俺のそばにいるのはお前だ。俺は、それを心の底から望んでいる」
「は……はい」
レオンの言葉に、サヤは潤んだ目を大きく開き、コクコクとうなずいた。
「まだまだ力不足ですが、殿下のお役にたてるよう、努力します……」
サヤは真面目な声でそう言ってレオンにはにかんで見せた。
レオンの言葉がよっぽどうれしいのか、これまでで一番の柔らかな表情を浮かべている。
その顔があまりにもかわいらしく、レオンは思わずサヤの体を抱き寄せた。
すると、サヤの足から力が抜け、倒れこむようにレオンの胸に飛び込んだ。
おまけに勢い余ってレオンの足を踏みつけてしまった。
「あ、あの、申しわけございません」
サヤは慌てて体制を整えるが、レオンの手は彼女を抱いたまま離そうとしない。
「足は大丈夫ですか? 思い切り踏んでしまって、すみません」
「大丈夫だ、サヤのように華奢な女性に踏まれてどうこうなるほどひ弱じゃない」
「ですが、あの、痛みが出るようでしたらお薬を……」