王太子の揺るぎなき独占愛
女性騎士として凛々しい姿を見せるイザベラが、ルブラン家の娘として舞踏会に出席するときに見せる姿は、華やかな貴族の娘そのもので、周囲からの注目を一身に集めていた。
本人も周囲からの視線を楽しみ、わざと派手なドレスを身に着け必要以上にレオンの側に寄り添っていた。
「イザベラ……」
レオンの楽しげな声に、サヤはぽつりとつぶやいた。
ルブラン家の娘同士、顔を合わせる機会もあり、ジュリア王女の警護を担当しているイザベラは王宮に出入りすることも多い。
医師とともに王宮を訪れるサヤと会えば、気安く声をかけてくる。
キレイな顔と長身でスラリとしたスタイルは周囲からの注目を浴びているが、それだけでなく、彼女は運動能力と語学力も秀でていて、男性だけでなく女性からも憧れの眼差しを向けられている。