王太子の揺るぎなき独占愛
「あ……あまりにもうれしすぎる言葉ばかりで、心臓がもちません」
顔だけでなく首までも真っ赤に染めて、サヤはうつむいた。
「それに、あの、最後までお聞きください。私は、殿下と結婚してもいいのだろうかと悩みましたが、どれだけ悩んでも殿下をあきらめることはできないと思い知らされるだけでした」
サヤは恥ずかしそうに視線をそらしてそう言うと、胸元からエメラルドのネックレスを取り出した。
「殿下にいただいたこのエメラルドを見るたび、殿下から逃げてはいけないと言われているようで……。それに、宝石言葉の幸福と夫婦愛という言葉を何度も口にして、自分を励ましていました」
「サヤ……そうだ、俺から逃げるな。たとえ逃げても、どうせ俺に捕まえられるんだ。だったらそんな無駄なことはやめて、悩んだり逃げたりする時間すべてで俺に愛されろ」
サヤからあきらめることはできないと伝えられ、レオンは自分でも信じられないほどの勢いでサヤに思いを告げた。
サヤがレオンにどのような気持ちを抱いているのかわからず、長い間秘めていた愛情を口に出していいものか、ずっと悩んでいた。
愛していると軽はずみに伝えてサヤを悩ませたくなかったが、イザベラへの複雑な思いと、レオンをあきらめたくないという気持ちを聞かされ、我慢ができなくなった。
「サヤ、存分に愛するから、絶対に逃げるなよ」
「本当に……?」
期待を含んだ小さな声で問うサヤに、レオンはかすめるようなキスをした。
「もう、とっくに愛してるんだ。それに、この先この気持ちが変わらない自信もたっぷりある」
「殿下……」
サヤは目に涙を浮かべ、レオンの胸に飛び込んだ。