王太子の揺るぎなき独占愛
「……とっとと作ってしまおうかな」
鬱々と悩まず作ってしまえば、案外ラクになるのかもしれない。
「そうだな。リュンヌなら、奥のクローゼットにもあるし、王家の森に取りにいってもいいし。早めに作って結婚式の準備に集中しよう」
「はい、そうします」
毒を作ることに納得したわけではないが、レオンが言うように、それを使う機会はないはずだ。
賢王になるに違いないと言われているレオンを信じよう。
そして、王妃としてできる限りのことをして支えよう。
毒を使うことのないように、そしてレオンと長く一緒に生きられるように。
「殿下……」
それでも……万が一のことを考えて、不安になるのは仕方がない。
レオンを愛している限り、サヤの不安がゼロになることもないだろう。
サヤは両手を広げ、ゆっくりとレオンに抱きついた。
「どうした? 甘えたいのか?」
サヤはうれしそうに彼女を抱きしめるレオンの声にうなずくと、さらに強い力でしがみついた。
そして、どうしても止めることができない涙を隠した。