王太子の揺るぎなき独占愛
レオンの頬を両手で挟んで固定し、強く唇を押しつけた。
両手がふさがっているレオンにはどうすることもできず、立ち止まった。
サヤが何度か角度を変え、ときおり音を立てながらキスを続けるうちに、我慢できなくなったレオンが自分から反応した。
その瞬間、サヤは体を起こしてキスをやめた。
「サ、サヤ……?」
突然唇から熱が消え、レオンは慌てた。
すると、そんなレオンに満足したようにサヤは笑顔を浮かべた。
「続きはお城で。さ、早く帰りましょう」
サヤは澄ました声でそう言うと、ふたりの様子を呆然と見ていたイザベラや騎士たちに手を振った。
「お待たせしましたー」
何事もなかったかのように手を振るサヤに、レオンはしばらくの間言葉を失っていたが、気を取り直し、再び歩き出す。
その足取りは軽やかで、彼の心を表すように弾んでいる。
苦笑しながらも幸せそうな表情にホッとしながら、サヤも心からの笑顔を浮かべた。
決して恥ずかしくないわけではないが、自分の思いに素直になるのはとても心地いい。
たとえ今イザベラたちに盛大にからかわれ恥ずかしい思いをしたとしても、平気だ。
愛するひとと寄り添い、ともに生きていける。
それだけで、すべて乗り越えられるのだから。
完


