王太子の揺るぎなき独占愛


「サヤちゃん、このお薬だけど、すぐにもらえる?」

 ロザリーは医師からもらった処方箋をサヤに手渡した。

「わかりました。……これならすぐに用意できるので、待っていてくださいね」

 サヤはマリアの頭を軽く撫でると、書かれている薬を用意する。
 風邪のときに処方される薬が書かれていたが、季節柄、調合したものを多めに持ってきていたのですぐに用意できた。

「ちょっと苦いですが、煎じて温かいうちに飲んでください。どうしても飲みにくかったら黒糖を混ぜても大丈夫です」
「ふふっ。どんなに苦くても、マリアはアイスが食べたいからひと息に飲んじゃうと思うわ。お店のアイスを確認して、今日はイチゴのアイスにするって言ってたの。あ、食べさせても大丈夫よね?」

 マリアを抱き上げながら、ロザリーは振り返った。

「はい。大丈夫ですよ。風邪のようですからお薬を飲んで、ちゃんと食べて寝れば治ると思います」
「そう、良かったわ。マリアったら寝相が悪くてベッドから落ちても気づかないまま床の上で寝ていたの。夜は寒いし、それで風邪をひいたのね」

 ロザリーの腕の中でおとなしくしているマリアはへへっと笑った。

「でも、風邪をひいたらアイスは食べられるしサヤおねえちゃんに会えるからうれしいの」

 マリアの言葉に、サヤは頬を緩めた。

「お姉ちゃんも会えてうれしいけど、どうせ会うなら元気なマリアちゃんに会いたいわ。風邪が治ったら、また一緒に遊ぼうね」
「うん。またお店にきてね」

 かすれたマリアの声は痛々しいが、会えてうれしいと言われたサヤも喜んだ



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