王太子の揺るぎなき独占愛





「そういえば、ここ最近うちの料理を食べてないわね。ここでの仕事が終わったらお付きの騎士様たちと一緒に食べにおいで。悩みが吹っ飛ぶほどおいしいシチューを食べさせてあげるよ」
 
 肉がほろほろに柔らかくとろけたシチューは、ロザリーの料理の中でもサヤの大好物だ。
 このシチューを目当てに来る客も多く、早い時間に売り切れる人気料理。
 サヤもめったに口にすることができず、悔しい思いを何度も味わってきた。

「今日はいい肉が手に入ったから、いつもより多めに作ったんだよ。サヤちゃんと騎士様たちの分もあるから、早くおいで。そして元気に笑ってお帰り」
「はい。ここでの仕事が終わったら、すぐに行きますね。久しぶりのシチュー、楽しみだな」

 目を細め笑うサヤの頬には赤みが戻り、乾いた涙の跡も少しずつ消えていく。
 ルブラン家に生まれたばかりに、背負いたくはない苦労を背負った華奢な女の子。
 それでもその運命を受け入れ、一生懸命に森と王家のために力を尽くしている。
 そんなサヤを優しく見つめるロザリーは、シチューだけでなくサヤが大好きなイチゴのゼリーも用意してあげようと、決めていた。


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