【完】そして、それが恋だと知った日。
苑田くんのクラスも文化委員に押しつけられたらしい。
女子もいたらしいけど、それも押しつけられたみたい。
っていうか、同じ委員会だったの今知った。
一回しか集まってないから仕方ないんだけど。


「俺さ、別におばけやしきじゃなくてもいいんだよね。」


「私も。」


「だよなあ。
 でも、クラスのやつめんどくさくて。」


「わかる。」


「どこも一緒か。」


「そうだね。」


「本当は譲ってあげたいんだけどね。」


譲ってもらえたら助かるけど。
苑田くんが困るのも嫌だしなあ。


どうしたらいいんだろう。
どっちのクラスの要望も答えられる方法があればいいのに。


そもそもおばけやしきなんてしなきゃいいのに。
驚かしたって面白いことないよ。


「あのさ。」


「はい?」


「ひとつだけ、どっちのクラスも我慢しなくていい方法があるんだけど。」


上手くいくか分からないけどね。
と付け足して言った苑田くん。



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