クールな社長の溺甘プロポーズ



「なんだ、まだなにかあるのか?」

「大アリです!なんでその大倉さんとやらが私と結婚するわけ!?そこを教えてくださいよ!」



私は決して変なことを聞いているわけではないのに、彼があまりにも面倒臭そうに顔を歪めるものだから、どちらが正しいのか分からなくなってきた。

いや、私の反応は正しいはずだ。聞いて当たり前の質問だ。

そう自分に言い聞かせ彼の返事を待つ。

すると大倉さんは、渋々口を開く。



「きみの父親、そしてうちの取引先の社長である澤口恒弘さんには昔から大変世話になった」



え?お父さんに?

そうなの?とキョトンとしてしまう。



「お、お父さんに?」

「あぁ。昔からなにかと世話になってな。俺は澤口さんのことを実の父親のように、いやそれ以上に尊敬している」



お父さんが、人からそこまで思われるようなことを?



私からすれば、見慣れた普通のおじさんだ。

子供の頃は仕事で忙しく、大人になってからは結婚だ孫だと口うるさく言ってくる。ごく一般的な父親だ。

そんなお父さんが知らないところで誰かの力になっていたなんて。

仕事だけの人じゃなったんだ。そう、少し感心してしまう。



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