クールな社長の溺甘プロポーズ



「オオクラ自動車って……あ、あの超有名自動車会社の!?しかも社長!?」

「あぁ。いつも澤口製作所さんには大変お世話になっている」



オオクラ自動車、といえば国内外でも名の知れた超有名自動車会社だ。



社員総数5万人、この景気でも売上は右肩上がりで『就職したい企業』で必ず上位に入る人気企業。

そして、うちの澤口製作所が昔からお得意様とする取引先だ。



そんな大きな会社の、しかも社長。

見た目は恐らく30代前半で、さらにはイケメンで……その人がなぜここに?

しかもいきなり結婚って、なんの話?



私の勘ぐる視線など気に留めず、表情が顔に出ないタイプなのか、彼、大倉さんは笑顔ひとつなく淡々と述べる。



「これでどこの誰かはわかっただろ。じゃあ婚姻届にサインを……」

「って、待って待って待って!!」



いたって自然な流れで、手元の黒い鞄から婚姻届を取り出す大倉さんに私は全力で首を横に振る。


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