永遠の愛を(番外編も完結)
「…美麻」

まだ制服にコート姿の私を見て、彼が私の名前を呼ぶまでに一瞬の間があった。

「あの、帰りに…寄って欲しいっておばあちゃんに頼まれて。」

「…ああ。預かってるから、ちょっと待ってて。」

そう言って店の奥に一旦消えた先輩が手に何かを持って出てきた。

「これ、美麻のおばあちゃんの忘れ物。」

渡されたのは袋に入ったおばあちゃんのマフラー。

「ありがとう」

バス停での会話を聞かれていたこともあって、私達の周りも気まずい空気が流れていた。

考えてみたらあのキス以来、こうして二人きりになったのも初めてだ。

本当は駄菓子でも買って帰ろうと思ったけど、居たたまれなくなった私は「…じゃあ」そう言って足を一歩後ろに下げた。
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