永遠の愛を(番外編も完結)
「顔を見るまではやっぱ安心できないけど、とりあえず良かった…」

通話を終えた慶斗さんがそう言って安堵の息を吐く。

「そうだね。でも、その救急車を呼んでくれたお客さんがたまたまいてくれて本当に良かったね。」

「ああ、その人がいなかったら今頃どうなってたか分からないし感謝しかないよ。」

病院に着いてすぐ、受付でヨシおばあちゃんのいる場所を確認した私たちが案内された場所は、ER(救急救命室)。

慶斗さんが中に入っている間、私は隣接された家族控え室で待機させてもらうことにした。

シーンと静まり返る室内には壁掛け時計の秒針を刻む音だけが響き、窓もない室内は息が詰まりそうになる。
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