永遠の愛を(番外編も完結)
それから慶斗さんはその輪から抜け出すと、正面玄関に車を回すため、一足早く駐車場に車を取りに向かった。

そしてヨシおばあちゃん達の輪から一歩下がったところに立っていた私の目に映ったのは、巡回から戻ってきたばかりの1人の若い看護師だった。

その看護師さんもヨシおばあちゃんに気づくと

「あ、そういえば今日が退院の日でしたね。おめでとうございます。」と見送りの輪に加わった。

それは数年ぶりに目にした懐かしい友人の姿だった。

…唯ちゃん。

だけど彼女の姿を見つけた時、私の心が感じたのは単純に嬉しさと懐かしさだけではなかった。
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