車椅子バスケ~希望の架け橋~(翼ver.に変更)

「翼……落ち着け。
別に恋をすることに否定している訳ではない。
俺も海利も……誰にだって恋をする権利はある。
ただ……そのリスクも含めて
考えないとならないって話だよ」

「君も……千花ちゃんに重荷を背負わせたくなくて
一度は、否定したことがあるのではないのか?」

早川兄ちゃんの言葉に
うっ……と言いながら黙り込んでしまう。

そう……俺は、それもあって
千花に素直になれなかった。

自分が惨めでカッコ悪くて
千花に否定されたくなくて酷い事を
散々言ってきた。

これ以上傷つきたくなくて

「翼……そうなの?」

千花は、驚いてこちらを見てきた。

「し、仕方がないだろ!?あの時は、
自分のことで精一杯で
千花の言葉に耳を傾けてやれなかったし。
障がい者になった俺をいつか
カッコ悪いとか言って突き放されるのではないかと
思うと怖くて
自分から突き放すしかないじゃん」

「その方が……傷が浅いと思ったし
なにより千花のためだと思ったんだよ。
悪いか!?」

必死に言い訳した。

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