0.0000034%の奇跡



自分の載った雑誌も手に取って
「これ見ても何にもなかった…」ってどういう事!?
わかんない……わかんないよ…!
泣きそうにならないで?


「そりゃこんな体になって女として見れなくなるかもしれないけどさぁ」


「待って…!」


手を強く握って言葉を遮る。
涙ぐむ目が僕を見つめる。


「芹、そんな事はない。毎日どれだけ僕が我慢してたと思うの?もう一人の体じゃないから、匂いにも敏感だし体質も変わってくるって書いてたから…」


「ネットで見たの?」


「うん、妊娠初期にしちゃいけない事…」


「もう中期なんですけど」


「えっ!あ、そうか…」


もう一度調べ直そうと携帯を手に取ると取り上げられた。
ヒェェ…!まだ怒ってる…!


「私を誰だと思ってるの?」


「白衣の…天使」


「バカ、違うよ」


嘘です、すみません。
調子にのりました。






< 140 / 175 >

この作品をシェア

pagetop