ぎゅっと、隣で…… 
***

 南朋は宴会場から出てきてしまったものの、家に帰るには早すぎる時間に、目に入ったバス停のベンチに座った。

 早く帰れば、またお母さんに、なんやかんやと聞かれるのも面倒だ。


 奥さんが居たという事実にショックは大きかったが、秀二への気持ちがすっと冷めて行くのが分かった。


 結局、私は軽い女と思われていた…… 

 周りからそんな風にしか見られていない…… 

 誰かが、本気で自分なんかを好きになる事は無いのだ……

 自分という人間の価値の低さを思い知った……



 時間が経つのを待つしかないと思い下を向いたときだった。


「一緒に帰ろうか?」


 いきなり頭の上から声がして、南朋は顔を上げた。



 息を切らした優一が立っていた。
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