ぎゅっと、隣で…… 
優一と南朋は、最近オープンした居酒屋に入る事にした。

 店は混み合っていたが、壁で仕切られたテーブルに座った。


 南朋は、優一の男らしい胸にふと顔が赤くなるのが分かった。

でも、優一は結婚する。

ただの慰労会…… 

何度も自分に言い聞かせた。


 優一と、元気なお婆ちゃん達の話に、声を合わせて笑った。


 こんなに笑って、気を許して話が事が出来るのなら、どうしてもっと早く優一に声を掛けなかったのかと後悔した。

 
 でも、優一も自分と同じように楽しいと思っているのかは分からない……

 それに、秀二の事も知られてしまっているし……


 南朋にとって、特別な時間であっても、優一にとってはたいした事では無いのだろうと思った。


 楽しい時間はあっという間に過ぎてしまって、店員がラストオーダーの注文を取りに来た。



「そろそろ行こうか?」


 優一の言葉に、南朋は魔法が解けたように、現実に戻されて行く気がした。


 もちろん、南朋も支払うつもりでいたが、優一は南朋の頭を撫でると伝票を持って行ってしまった。


 会計を済ませた優一と店の外に出る。


「楽しかったね」


 南朋は思わず口から出てしまい、赤くなった顔を慌てて下に向けた。

 もっともっと一緒に居たい……

 また、会いたい……

 南朋の、胸の中の言葉まで出てしまったような気がしたからだ。
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