ぎゅっと、隣で……
優一は、部屋の窓から南朋の家を出る姿を見ると、車に乗り込んだ。
たまには違う場所で、南朋と食事をしたかった。
駅の駐車場に停め、本屋へ向かった。
約束もしていないが、南朋が居ると確信がある。
確かに、メールでもして連絡すればいいのは分かっているが、何も言わなくても待ち合わせするこの瞬間に何とも言えない嬉しさと安心感があった。
「待った?」
自分で言っておきながら、待ち合わせしている訳でもないのにと、ふっと笑みが漏れてしまう。
やはり、南朋が居てくれた事は嬉しい。
「ううん」
南朋はいつものように嬉しそうに笑顔を向けた。
優一も嬉しくなり、少し遠い場所での夕食の提案をしようとした。
「今夜さあ……」
と優一が言い掛けた時だ。
「優一!」
後ろからの甘い声に背中がゾクッとした。
その声は明らかに尖っている。
南朋が声のする方に視線を向けた。
その瞬間、小百合が優一の腕に絡んできた。
小百合は、絡んだ腕をガシッと掴んでいた。
まるで、誰にも取られないように必死に掴んでいる様にしか思えない。
優一は、絡まれた手を離そうとしたが、小百合の目は鋭く南朋を睨んでいる。
今、ここで小百合の手を離したら、間違いなく南朋への仕打ちがあるだろう。
南朋を傷つけるのだけは避けたい。
これは、悪魔でも俺の問題だ。
たまには違う場所で、南朋と食事をしたかった。
駅の駐車場に停め、本屋へ向かった。
約束もしていないが、南朋が居ると確信がある。
確かに、メールでもして連絡すればいいのは分かっているが、何も言わなくても待ち合わせするこの瞬間に何とも言えない嬉しさと安心感があった。
「待った?」
自分で言っておきながら、待ち合わせしている訳でもないのにと、ふっと笑みが漏れてしまう。
やはり、南朋が居てくれた事は嬉しい。
「ううん」
南朋はいつものように嬉しそうに笑顔を向けた。
優一も嬉しくなり、少し遠い場所での夕食の提案をしようとした。
「今夜さあ……」
と優一が言い掛けた時だ。
「優一!」
後ろからの甘い声に背中がゾクッとした。
その声は明らかに尖っている。
南朋が声のする方に視線を向けた。
その瞬間、小百合が優一の腕に絡んできた。
小百合は、絡んだ腕をガシッと掴んでいた。
まるで、誰にも取られないように必死に掴んでいる様にしか思えない。
優一は、絡まれた手を離そうとしたが、小百合の目は鋭く南朋を睨んでいる。
今、ここで小百合の手を離したら、間違いなく南朋への仕打ちがあるだろう。
南朋を傷つけるのだけは避けたい。
これは、悪魔でも俺の問題だ。