ぎゅっと、隣で…… 
 南朋は一睡も出来ずに朝を迎えた。

 解っていた事だから仕方ない。

 いい気になっていた自分が悪いのだ…… 


 あまり遅くまで寝ていると母の機嫌が悪くなる。

 仕方なく重い体を起して着替えを済ませた。


 一度は朝食にリビングに降りたものの食欲も無く、オレンジジュースだけ飲んで部屋へと戻った。


 ベッドの上にバッタっと崩れる。

 何もする気にならない……

 もう、夢の時間は終わった。

 いや、夢だったのかもしれない……


 これから先、何も取り柄のない私はどうすればいいのだろう?


 優一が居てくれた。

 それだけで幸せだったのに……



 そんな事ばかりを考えていると、廊下から南朋を呼ぶ声が聞こえた。
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