ぎゅっと、隣で……
しばらく歩くと、優一の足がふと止まった。
南朋がゆっくりと顔を上げた。
南朋の目に映ったのは、南朋の住む町の夜景だった。
高いビルなどがある訳では無いが、優しく、暖かい光りが広がっていた。
「うわ―」
と歓声を上げた南朋の前から夜景を消すように優一は目を合わせた。
後ろに下がろうとする南朋の頭を優一は押さえ唇を重ねた。
優一は南朋にきちんと話そうと思っていたが、泣きじゃくる南朋に言葉より先に口を奪ってしまった。
優一はそっと南朋から唇を離し、南朋のおでこに自分の額を付けた。
南朋は驚いたように目を大きく開け、状況が理解できていないようだ。
ふと我に返ったように南朋は優一から離れようとするが、優一の腕がしっかりと南朋の背中に回っていた。
「優一兄ちゃん結婚するんでしょ? こんな事、するなんて最低だよ!」
「ごめんな…… 彼女とは別れたから……」
「どうして、そんな事、するのよ! 出世が決まっているのに……」
「南朋ちゃんが好きだから……」
優一の言葉に南朋の力が抜けて行く……
「優一兄ちゃんと私なんかが一緒にいても、誰も喜ばないよ…… もう迷惑かけたくない……」
南朋は優一から目をそらした。
「南朋……」
呼び捨で囁く優一の声に、南朋の張りつめていた胸の中が、キュンと音を立てピクリと肩を震わせた。
南朋がゆっくりと顔を上げた。
南朋の目に映ったのは、南朋の住む町の夜景だった。
高いビルなどがある訳では無いが、優しく、暖かい光りが広がっていた。
「うわ―」
と歓声を上げた南朋の前から夜景を消すように優一は目を合わせた。
後ろに下がろうとする南朋の頭を優一は押さえ唇を重ねた。
優一は南朋にきちんと話そうと思っていたが、泣きじゃくる南朋に言葉より先に口を奪ってしまった。
優一はそっと南朋から唇を離し、南朋のおでこに自分の額を付けた。
南朋は驚いたように目を大きく開け、状況が理解できていないようだ。
ふと我に返ったように南朋は優一から離れようとするが、優一の腕がしっかりと南朋の背中に回っていた。
「優一兄ちゃん結婚するんでしょ? こんな事、するなんて最低だよ!」
「ごめんな…… 彼女とは別れたから……」
「どうして、そんな事、するのよ! 出世が決まっているのに……」
「南朋ちゃんが好きだから……」
優一の言葉に南朋の力が抜けて行く……
「優一兄ちゃんと私なんかが一緒にいても、誰も喜ばないよ…… もう迷惑かけたくない……」
南朋は優一から目をそらした。
「南朋……」
呼び捨で囁く優一の声に、南朋の張りつめていた胸の中が、キュンと音を立てピクリと肩を震わせた。