キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
アンタのせいでこうなってんだ!!
笑ってないで、ちょっとは気付けバカ!!
城之内先輩は私の目の前までやってくると、その足を止めた。
ち、近い……。
「な、なんでしょう?」
勇気を出してそう聞くと、ニコッと微笑まれて、ゴクリと喉が鳴る。
本当に美少女だな……。
色素が薄くてふわふわで。
まつ毛もノーメイクなのにこんなに長い。
色も白くて儚げで、さっきまで般若みたいな顔で睨んでいたのが嘘みたいだ。
でも……なんでだろ?
私、この笑顔好きじゃない。
すると城之内先輩は、私の耳もとにそっと口を寄せて、耳を疑うような言葉を口にした。
「調子に乗ってると痛い目みるよ?五十嵐くんは、私のモノだから」
その顔に不釣り合いな低く冷たい声色にぞっとする。
城之内さんは、クスリと息を漏らすと「ごきげんよう」と言って微笑み、体育館を出ていった。
「西園寺さん。が、頑張れ」
呆然とする私の肩を、池崎さんがポンと叩く。
何あれ!?
めっっっっちゃヤバイ人じゃん!!!
てかアレ、私が会長とひとつ屋根の下で暮らしてるとか知ったらどうなるの?
もう、何かヤバイ人達雇って、暗殺する勢いだよね?
本当に無理!!!!